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タロットカード開発裏話

――タロット開発の裏話

占い師として多くの方と向き合う中で、ずっと心にあった小さな違和感。
それが、私がタロット開発に踏み出す最初のキッカケでした。

◆ 既製品では伝えきれない“何か”

これまで長年使っていたタロットカードが、ある日、絶版になったのです。
「どうしよう」と焦る一方で、ふと気づきました。

——本当に、このカードが“今の時代の相談者”に合っているのだろうか?
——占う度に、もし私がつくるなら、どんな表現にするだろう?

そう思った瞬間から、答えはもう決まっていたのかもしれません。
私自身が、長年カードと向き合い続けてきたからこそわかる「必要な言葉」「今の人の心に届く表現」がある。
授業用のカードも必要だし、生徒さんや未来の相談者たちにとって“本当に響く”分かりやすい丁寧なカードを届けたい。

そんな思いから、タロット開発の旅が始まりました。

◆ 想像以上の試練、そして再スタート

最初にデザイナーを探し始めたのは、2020年頃。
なかなかピンとくる方が見つからず、時間ばかりが過ぎていきました。

やっと契約できたと思ったら、途中で方向性のズレが生じて、やむを得ず契約解除に。
そこからまた一から探し直し、ようやく今のデザイナーさんと出会うことができました。

占いの知識がない方にお願いしたのは、既成概念にとらわれない自由な感性がほしかったから。
けれどそれは同時に、私の意図をどう伝えるか、どう汲み取ってもらうかという“通訳のような作業”でもありました。
感性のすり合わせや細部の調整には、何度も何度も時間をかけました。

◆ 最もこだわったのは「色」

完成までのプロセスの中で、何よりも妥協できなかったのが「色」でした。
タロットのエネルギーは、図像だけでなく色からも伝わってきます。

“しっくりくる色”に出会うまで、幾度となくカラーパターンをやり直し、
ときには全体の雰囲気が大きく変わるほどの調整を重ねました。

そのひとつひとつが、「魂の声を言葉にするカード」に必要なプロセスだったのだと思います。

◆ 今、ようやくスタートラインに立てた気がします

このタロットは、ただの“占い道具”ではありません。
私にとっては「時代と人の心の変化を受け止めるための、新しい共鳴装置」です。

今も進化の途中ですが、これからこのカードが
誰かの気づきや再起動のきっかけになりますように──
そんな祈りを込めて、一枚一枚お届けしていきます。